「・・・まぁ。それが俺の任務だしな」

「そう・・・」

「でもな。俺はいくら任務でも、いけ好かねぇ奴は護りたくもねぇし。命なんてかけたくもねぇ」




ノエルは包み隠すことなくはっきりとそう言った。




「でも、俺が本気で護りたいって思う人間のためなら、俺はどんなことをしてもそいつを護る。それが俺の信念で、俺の任務だ」

「信念・・・」

「それがどうかしたのか」

「・・・ジルが」




私は、さっきあったことを全て話した。
ジルが庇ってくれた事、ジルに言われたこと、私が思う事全て。




「私は・・・、自分を庇ってくれた人の事を心配したらダメなの・・・?」

「・・・お前はさ、そんな事で嘆くよりももっと他に目を向けないといけないことがあるんだよ」

「ほか・・・?」




私は顔をあげ、ノエルを見る。
ノエルは真剣な面持ちで私を見つめる。



「お前は、自覚なんてないだろうからピンとこないんだろうけどな。お前は一国の姫だ。もしかしたらこの先、女王陛下になるかもしれないんだろ?」

「それは・・・、皆が勝手に言ってるだけで」