私たちはすぐに城へ戻り、救護室に行きジルの手当てをしていた。
ジルは私を部屋に送り届けようとしたけど、私が強引に救護室へついてきたのだ。



青ざめた顔で、ジルが手当てされているのを見守る。
ジルは上を脱いだ状態で、服を着ていてはわからなかったけれど、意外にも筋肉質な逞しい体つきをしていた。
消毒され、麻酔を打たれ数針縫われていく痛々しい手当てを目の当たりにし、血の気が引く思い。
それでも、目を反らしたくなくて。
私のせいでジルはケガをしたのだから。




「手当なんてしているところを見ても、気分が悪いだけでしょうに」

「だって、ジル・・・私のせいで・・・」




手が今更になって震える。
なにが起きたのか、全く分からなかった。
わからないうちに目の前が真っ暗になって、私はジルに護られてて。


ジルがいなければ、きっと私は――――――。




「そんなに、恐ろしかったですか」




溢れだした私の涙を見て、ジルは呆れたように言った。
ジルの手当ては終わっていて、ジルは新しい服に袖を通し衣服を整えている。
少し右手がぎこちないのは麻酔のせいだろうか。