「ひな様が、笑ってくれた・・・!」

「え?」

「嬉しいです!初めて、ひな様の笑顔を見ました!絶対笑っていた方がいいです!」




身を乗り出すようにしてキラキラとした笑顔で訴えるヨハンを見て、よっぽどヨハンの笑顔の方が素敵だと思った。


「・・・心配をかけて、ごめんなさい」

「いえ!事情がおありだと聞いていましたし、突然姫さまになられたのですから。戸惑うのも当然だと」

「ヨハン・・・優しいのね。チョコレートも」



みんなが敵だと思ってたけど。
私のこと本当に心配してくれているって少しはわかった。


「え、あ、あの、違うんです!」

「ちがう?」

「さっきの言葉も戸惑うのも当然って言っておられたのも、チョコレートの事も・・・。あの、ジルさまの受け売りで」



え・・・?
ジルが・・・?