完璧執事の甘い罠



「僕も、そうなりたいと思った。それだけじゃない。僕に、人を愛することを教えてくれた」

「え・・・」

「本当に、愛しているんだ、ひな様。本当は僕が幸せにしたい」

「嬉しいです。本当に。そんな風に思ってもらう資格なんてないのに」

「そんな風に想えたのも、キミが初めてだった」




応えられないことがもどかしい。
人の心って本当に複雑で。
どれだけ愛されているか、大切に想われてるか、わかるのに応えられない。




「でも、私が逃げたら・・・アルバーナが」

「それについては、お願いがある」

「え・・・」

「僕に、キミの大切にしている国を護らせてはもらえないだろうか?」

「エリックさまが・・・?」




でも、エリックさまは、私を婚約者に迎え、シーエン王国の王位を継ぐはずじゃ・・・。




「本来なら、この国をつぐのは第一王子である兄なんだ。それが、僕が君の相手として選ばれたことで僕が継ぐことになったってだけの話」

「そうだったんですか」