「突然、異世界に来て不安なのはわかります。ですが、命を投げ捨てようとするのは間違っています」

「・・・ジルには関係ないじゃん。私がどうなろうと、ジルには関係ないじゃん」

「関係ないなんて、どうしてそのようなことを」




八つ当たりみたいにジルに想いをぶつけていく。
溢れだした想いはもう止められなくて。



「私は・・・こんなところに来たかったわけじゃない・・・。そのために・・・そのためにビルの屋上にいったわけじゃないのに・・・」

「どういう事ですか?ひな様?」

「ひな様だなんて、呼ばれたくもない!もう出てってよ!」




ごちゃごちゃした想いが。
もうこれはすっかり八つ当たりだ。




「お前、いい加減にしろよ。黙って聞いてたら、悲劇のヒロインみたいに」

「・・・っ、あんたにだって関係ないでしょ!黙っててよ!」

「黙ってられるか!ここに来たのは、不本意かもしれねぇけどな!それをうだうだ言ってたって始まらねぇだろ!お前はここにきて、姫って呼ばれてるんだ。それが現実だ。受け入れろよ」