お母さんたちのところに行きたい。
そう思い始めたのはいつからだろう。



高校を卒業して、いよいよ人との関わりが制限され始めてからだ。
他人と関わるのが嫌で、コツコツとできる包装のアルバイトにして。



そうすると、ほとんど人と関わることがなくなった。
ホッとした。


ホッとしたのと同時に、本当に、私はこの世でたったの独りぼっちになったんだと思った。





「きらきら・・・」




ビルの屋上。
廃墟になったビルの屋上の鍵は壊れていて。
簡単に忍び込むことができた。



お母さんが残してくれた形見のネックレス。
エメラルドグリーンの六角形の水晶がついたネックレス。

とても綺麗で、ずっと欲しかった。
でも、こんな形でもらいたかったわけじゃなかったのに。



それを太陽の光にかざすと光がキラキラと透き通って綺麗。