完璧執事の甘い罠



「美味しい!これ、初めて食べる」

「庶民的な食べ物ですので、あまり王宮ではでませんから」

「そっか・・・。じゃあ、私の知らない食べ物ももっと他にあるんだ」

「ええ。アルバーナには美味しいものがたくさんあります」




もっといろんなところを見ておくんだったな。
ダリウスに行ったときには感じなかったけれど、こうして改めて見て回ると本当に知らないところ、知らないことばかり。




「ジルは、食べたことあるの?」

「ええ。私は、王族に仕えさせていただいているだけで、私自身は一庶民ですので」




例えばもし、私が王族ではなくて城下に住む庶民であったなら・・・。
そう考えてもきっと、無駄なんだろう。

もし、本当にそうだったとしたら、きっと私はジルに出会えてはいないのだから。
それを望んでいるわけじゃない。

私が望むのは、ジルといる未来だけ。