「お前はどうなんだよ。お前は、今までの俺たちと築き上げてきた信頼とか、関係は簡単にゼロから始められるくらい軽いもんだったのか?」

「ノエルにはわかんないよ!私の気持ちなんて!」




好きだって思って、それを告げたのにはっきりフラれるわけじゃなくて私の気持ちを否定されて。
記憶を失くした時のジルの事を思い出して、もしかしたらそのままの方がホッとしているんじゃないかって思った私の気持ちなんて。




「だからいいの。全部忘れるから。ジルへの気持ちも、なにもかも。またゼロから始めるからいいの。ちゃんと、ちゃんとした王女に今度こそなるから」

「なんだよ、ちゃんとした王女って・・・」

「だからもう、放っておいて・・・。おねが・・・ぅ・・・」




傷口がズキッと疼いて蹲った。




「ひな様!傷が痛むのですか?あまり興奮されると・・・」

「っ、触らないで!」




心配そうに駆け寄るジルに私は突き放すようにそう言った。
心の中がごちゃごちゃして整理できない。