「まずは座学から行います」
結局、私の意志なんて関係はなく始まったレッスン。
机の上に置かれた分厚い本。
「これは、この世界全体の歴史が記された本です」
「歴史・・・」
「まず、我々が暮らしているこの国は、アルバーナ王国。そして、その隣にあるのがダリウス王国です」
地図を広げられ、指をさしながら教えられる。
その地図も、私が知っている世界地図とは全く違うものだ。
「アルバーナ王国とダリウス王国は、敵対国で境界線の領土をめぐる抗争がいまだに続いている状態です」
「え・・・、戦ってるの?」
「今は冷戦状態ですが、再び争いが始まる可能性は高いです」
それって、ものすごく危険な場所ってことじゃ・・・?
戦争ってことでしょう?
平和な世界に住んでいた私には、到底想像もつかない。
「こちらが、アルバーナ王国と友好関係にあるシーエン王国です」
「友好関係・・・。こことは争いがないってこと・・・?」
「はい。互いに危険が迫った時には助け合うという協定を結んでいるのです」


