私なんて、ひな様に想ってもらう資格などないのだ。
ひな様の想いを受け入れることもできず、きちんと拒むこともできず。
うやむやにしようとした。
そしてひな様を傷つけ泣かせてしまったのだから。
「あいつの気持ちくらい、お前なら気づいてたんじゃないのか?」
「私に、ひな様に想ってもらう資格はありませんよ」
「資格ねぇ・・・。ほんと、お前って堅物すぎて疲れねぇ?」
ひな様にとって私は、きっと見知らぬ土地へやってきて不安な時に側にいた、頼れる存在だったはずなのです。
それを恋心だと勘違いされているだけの事だと。
私はそう決めつけて、そうであってほしいとさえ願った。
「とにかく、落ち着けよ。勝手な行動は慎めよ」
「・・・わかっています。あなたに諭される時が来るとは」
「そう思うなら、シャキッとしろ、シャキッと」
ノエルに叱責され、ようやく目が覚めた。
嘆いていたところでなにもできない。
自分にできる限りの事を。


