「どうする?どちらを選ぶも、お前次第だ」
「・・・そんなの、答えなんて一つしか・・・」
それでも、心は嫌だと叫ぶ。
好きでもない人と結婚だなんて。
それも、敵対している国の王と・・・。
「ならば、一度お前を国へ返そう」
「え・・・」
「その上で、お前は自らの意志でこの国に来るのだ」
「・・・っ」
自らの意志で・・・。
それは、このまま強引に引き放されるよりずっと残酷だ。
自分の意思で、あの国を捨てるという事。
その結果、最終的にアルバーナがダリウス王国の手に落ちるかもしれないのに。
でも、未来の可能性よりずっと、今の大切な人の命を護りたい。
クロードの元にいれば、もしかしたら未来の可能性だって、どうにかできるかもしれない。
私が、この国にいれば内情を探れる。
それがアルバーナの得になるかもしれない。
必死に、自分を奮い立たせるため得になることを考える。
私にできること。
「それまで、故郷の生活を堪能しておくことだな」


