完璧執事の甘い罠



「アルバーナをあなたの好きにはさせない」

「そんなにも、あの国が大切か?」

「当たり前よ!」



この世界でできた私の居場所。
もう二度とできないと思ってた大切なもの。





「ならば、お前の大切なものが人質だとしてもか?」

「え・・・?」

「アルバーナの王宮にこちらの手の者を忍ばせている。お前の大切なものは俺様の一声でどうとでもなる」




ハッとして目を見開く。
そんな・・・。



「そんな、嘘よ!」

「城内で襲われたことはなかったか?どこかに閉じ込められたり・・・なんてことは?」

「え・・・?」



そう言われて思い出す。
食料庫に閉じ込められたこと。
あれが・・・?




「さあ、どうする?」

「卑怯よ」

「どうとでも言え」




拳をギリギリと握り締める。
悔しい。