「もうやめてー!!!」



たまらなくなって、私はジルの体を押しやって前に出た。
敵は一瞬怯んだが、振り上げた拳の勢いを止めきれず、私の頬に叩きつけた。


私の体は地面に叩きつけられる。



「ひな様っっっ!!」




ジルの悲痛な声。
くわん、くわん、と揺れる世界。
私の意識は、次第と消えていった。



私は、守りたかった。
もう誰も、傷ついて欲しくなかった。



それでもきっと、ジルは自分を責めるのだろう。
私を守れなかったと。



そんなことないよ。
ジルは、私を守ってくれたよ。



そう言ってあげなきゃ。
ジルはきっと、悔やんでしまう。



はやく、ジルに笑って言ってあげなきゃ。