完璧執事の甘い罠



地下には、倉庫やら食糧庫やらがあると聞いたことがある。
雰囲気的には城内の華やかさからは少しかけ離れているし、きっとそうなのだろう。



そんなところまで、迷い込んでしまったんだ。
私ってほんと、考えなしだ・・・。


自分の行動に呆れて引き返そうと踵を返したその時、突然側の扉が開いてそこに引きこまれた。
思いきり地面に転んで、驚きながら身体を起こそうとした瞬間、バタン!と大きな音を立て扉が閉められた。


当たりが一気に暗闇に変わる。
ハッとした時には、扉の向こう側でガシャンという鍵の音が聞こえた。



「え!?ちょ、ちょっと!誰!?あけて!!」




ダンダンと扉を叩きガチャガチャとあけようとするけれど、さっきの音はやはり鍵の音だったのか、扉はビクともしない。
どうして・・・。



ノエルが言ってた・・・。
私を陥れようとする人や、暗殺を企てる人が増えるって・・・。



これも、そういう人の仕業なの・・・?




馬鹿だ、私。
ノエルにちゃんと忠告されてたのに、自分の感情で飛び出して結果こんなことになって。
前、あんなに怖い目にもあったはずなのに・・・。


自業自得だ。