「するつもりないって、なんで?」
「剣に迷いが出る要因はなるべく少ない方がいい」
「迷い?」
結婚が、剣に迷いが出る要因なの?
よく分からなくて首をかしげる。
そんな私を見てノエルは少し考えて口を開いた。
「戻りたいと思う場所ができるってことだろ。いざって時に、尻込みしたくねぇから」
「いざ・・・?」
「お前、全部説明しねぇといけねぇのか」
だって、理解したくない。
私の脳裏にふとよぎったことが正しいと、思いたくない。
「いつでも、命を投げ出せる覚悟を、なくしたくねぇんだ」
だって、そんなこと。
「わかんないよ、私には」
「わかんねぇだろうな。甘ちゃんなお前には」
「甘いの?私の考えって」
「甘々だろ。ヘドが出るくらい」
わかりたくなんてないよ。