「ひな様の怒りも、悲しみも、すべて受け止めます。我慢などしないでください」
「・・・っ」
「私は、ひな様の執事ですから」
そう言ってもいいのだろうか。
護りきれなかった私が。
それでも、やはり手放したくないと願う。
「私は、ひな様のためにいるのですから」
怖がらせたくない。
少しでも、心を穏やかに。
少しでも、傷を癒して。
「・・・こわいの・・・」
両手で顔を覆い泣き出したひな様の背中を、ただただ擦る。
今はただ、それしかできないことがもどかしい。
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