ゆるゆる監禁生活

智也side


俺が梨花を知ったのは入学式の代表挨拶。


新入生代表として登壇した梨花の第一印象は綺麗。この一言に尽きる。


自慢じゃないけどそこそこモテる俺の周りには美人が集まってたわけだ。


だけどそんなやつらとは比べ物にならない。


だけどその時はそれしか思わなかった。


まず3年と1年だし、帰宅部で委員会とかもやらない俺が関わる機会なんてないしどうでもよかった。


だけど挨拶が始まって、そこで期待を大きく裏切られた。



「えー、なんだっけ。挨拶忘れちゃった。自己紹介しとけばいいのかな。……1年B組森 梨花。好きな食べ物は肉で、嫌いな食べ物はまずいやつ。あとはー、あ、私告白されても誰とも付き合わないから。ま、こんなんでいいかな。終わりまーす」



このバカみたいな挨拶。


何、肉って。


そこは嘘でも女子っぽいこと言えよ。


何、まずいものって。


逆にまずいものを好きなやつがいんのかよ。


何、告白されても誰とも付き合わないって。


牽制のつもり?


俺はこの時初めて女に興味を持った。