「あぁもうキスしてから密着度増しすぎ!!」



智也先輩は初めてじゃないけど、私は初めて。


そんな記念すべきファーストキスは旅行の3日後、寝ぼけた智也先輩によって行われました。


ごめん!と土下座する勢いで謝ってきたので、もう1回してくれるなら許す、と今思い返すと黒歴史でしかないセリフを放ってしまい、挙句の果てにそのお願いを見事に聞いてくれちゃったわけですよ。


それからクールな智也先輩はどこ?と言いたいくらいベッタベタ。


最初は嬉しかったが2週間も続くとただただ鬱陶しい。



「はぁ……倦怠期来んの早くね?」



「これでも持った方だと思いますけど。……っていうかずっと気になってたんですけど私のこといつから好きだったんですか?時々やっと俺のものになった、とか言ってますけど」



「……引かないか?」



お?


急に子犬のようにウルウルした眼で見てくるものだから興味を持ってしまった。


98%智也先輩のせいで進まない宿題を片付け、話を聞く体勢を作る。