「リリー、マルセイユ石鹸ほら!」
「お、おお…」
「リリーはお肌が弱いのよってゆってた!」

ルイはキューブの石鹸を私の前に差し出した。

「あ、ああ…ありがとうね
結構嬉しいかも…」
「うん!あと、リリーは6月に誕生日あった!
おめでとう!これはプレゼント」

妙な外見の熊が描かれた包装紙に
雑にくるまれた何かを差し出すルイ王子。

「え、私の誕生日覚えてたの?」
当日には連絡なかったけどね。
「もちろんだよ!6月だ!」

うん、6月なのは正しい…
だがなぜその先を言わない??!

「ちなみにだけど、6月何日か知ってる?」
「……」

笑顔で固まるルイの表情。

「忘れたよな!」

笑顔で言うなー!

まあ、覚えてるわけないと思ってたから、
別に驚きはしないけど…

「彼女の誕生日くらい覚えときなよー」
「早くプレゼントあけて」

話聞けよ。


そんなこんなで、
私の彼氏、フランス人のルイ王子(しつこいけど一般人)

との、楽しい(予定)一ヶ月がスタートした。




ちなみに、王子からのプレゼントは
ビーチで拾ったと思われる謎の石だった。

どうリアクションしていいやら…

「きれいな石だな?」
「う、うん…」