「あぁ!ごめん…
で、これ、見て、シロハマ!」

さっきからシロハマ、シロハマ
何言ってるのかしら、この人は…

ルイが持ってきたガイドブックを見ると、
そこには…

「あー!白浜ね」

そう、白いビーチと温泉が有名な場所、
白浜が載っていた。

なるほどね、白(しろ)という漢字を
しら と読むのはなかなか難しいのか。


「シロハマな!」

「ううん、シラハマ」

「シラハマか」



王子は目を輝かせて、
白浜のページを見つめていた。

「リリー、いつ行くか?」

「え?」

「白浜いつ行くか?」


え、なに、私と行くことが決定したの?
私、白浜の読み方教えただけで
行くなんて一言も言ってないけど?

「俺が帰るまでだから来週な?」

はー?!私の予定無視ー!
なんてマイペース!

「あー!あと一週間でムキムキにならなきゃ、俺」

着ていたシャツをまくって
自分の腹筋を確認する王子に
そろそろ言っておかないと!
このまま暴走する!