綾川さんは、100パーセントあたしを良く思ってないな。

すれ違うたびに、
いやーな顔をしてくるもん。




「あはは、杏
由衣に何かしたの?」

移動で視聴覚室に行く途中
綾川さんのあまりの睨みっぷりに唯が笑いだした。

「…唯って綾川さんと仲良かったっけ」

唯と由衣で名前もかぶってるもんね…。


「由衣ねー、
いい子だよ。」

「どんなにいい子でも
男が絡むと変わるのよ」

「…荒んでるね」



荒みたくもなりますとも。
好きな人にあんな綺麗な彼女が出来て平然といられるわけない。


圭佑ってほんとに来るもの拒まず去るもの追わずだから
彼女はぽんぽん出来るけど、
だいたいがあたしが原因で別れている。


「あたしと秋崎さんどっちが大事なの?!」なんてありきたりなセリフこそ飛び出さないが
まあ似たような感じである。


もっとも、圭佑にしてみれば
彼女より男友達を優先する男の感覚なんだろうなと思うけど、


確かに罪悪感はある。
でも、
あたしだって圭佑が好きだもん。


本音言えば、別れてほしい。



嫌な女かもしれない。
でも圭佑に彼女が出来るのなんてほんとはすごく、すっごく嫌。





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