「そのときに登録番号1つ間違えたみたいで」


「なに、その子とカズ1番違いなの?」


「そうなんだよね。かけたら女の子出るから焦った」



悠貴が話しながらふっと笑う。



「すげぇな。でもなんでそこから?普通切らない?」


「違いますよって言われて向こうは切ろうとしたよ」


「まぁ、そうだよな。普通」



普通であればそこで終わってて、出会いなんかに結びつかないはずだ。



「なんか話したくて。そのこと」


「へ?」


「これも何かの縁だし、友達にならない?って気づいたらい言ってたんだよな」



悠貴の話に出会いってすごいなぁとしみじみ思う。



「で、会わないの?」


「わかんねぇ。でも会うならサッカー復活してから会いたい」



悠貴なりの見栄なのか。
でも、悠貴=サッカーだからな。



「なんて子?うちの高校なんだろ?」


「咲坂心結(サキサカミユ)」



俺の脳裏にひとりの女の子が浮かぶ。