「てっきりサッカー部のマネージャーとかかと思ったよ」



悠貴は小学生の頃からサッカーをやっていて
高校はそれなりにサッカーが強いところに入ったんだ。
でも、いまは怪我をしちゃってて部活には行けてない。



「マネージャーを好きになるほど部活なんて行ってねぇよ」



悔しそうな顔で怪我をしてる足を触る。



「でも、ギブスとれたし、もうすぐだろ?」


「まぁ、な。怪我してる間さ毎日電話してさ支えてくれたのがそいつなんだよ」



悠貴の表情がすごく優しくなるから伝わってくる。
ゆうの真剣な思い。



「どうやって知り合ったの?」


「ん?間違い電話」


「間違い…?」



そんな出会いがあるのかと不思議な気分になる。



「カズにさ電話かけようとしたんだよ」


「うん」



カズってのは俺らの中学のクラスメイトで悠貴と同じサッカー部員。



「俺、携帯かえたじゃん」


「あーかえたな」



春頃だったかなと思い出す。