「え、ごめん」


「だからもう黙って」



彩香の体の上に跨って、唇を奪ってみる。



「いくっ、んっ」



俺の方に伸ばしてくる手を握ってあげれば彩香が幸せそうに微笑む。

あぁ、重なってる。
俺らの思い重なってるって感じる。
手から伝わってくる、彩香の思い。

好きが溢れていた。
愛が溢れるそのときが
俺らのとき。



「大好きだよ」



彩香にたくさん俺を刻み続けた。
離れたいなんて言わせない。
ずっとずっと彩香は俺が守る。



「郁人、大好き。ありがとう」



はじめての経験は、うまくいったかなんてわかんない。
でもこれでいい。
俺らは俺らなりに大切なものに気づけたらそれでいいんだ。

俺は俺で彩香が大切で
彩香は彩香で俺を大切に思ってくれてればそれで。



「悠貴とあんま電話とかすんなよ」


「え?」


「ヤキモチ」



物理的な距離を悔やんでも仕方がない。
でも、俺は結構独占欲が強いらしい。