大切なもの【完結】

「はい!これ着な!」



お姉ちゃんが持ってきたのは普段あたしが着ないような服だけどとてもかわいいものだった。



「似合うかなぁ」


「彩香なら大丈夫。ほら、着てみ」



お姉ちゃんがあたしに服を合わせる。



「うん。着る」


「てか料理も全部1人でよくがんばったね」


「初めての誕生日だから…」



どうしても全部自分で作りたかった。
お菓子作りは好きだけど料理のほうはあまり得意じゃないけど、だれかの手で作られたものよりあたしの手でつくったものでお祝いをしたかったんだ。



「郁人くん、幸せものだね」



お姉ちゃんの笑顔でなんだか安心できた。



「こんな飾り付け、子供ぽくて嫌じゃないかな?」



あたしの言葉にお姉ちゃんが部屋をぐるりと見渡す。



「彩香、幼稚園の先生にでもなったの?」



なんてクスッと笑ったあと



「こんなふうにされて嫌がる人はいないと思うよ」


と言った。