そんな風に言われると断りにくくて、「良いよ」と返してしまった。

慧斗はそれに満足したらしく、わたしの少し後ろをついてきた。

「部活、やってないの?」

「やってないよ。たまに助っ人で呼ばれたりするけど」

「どうして? 慧斗ならいろんなところから声かかったでしょう」

少し振り向いて話す。それが面倒になってしまって、慧斗の隣に立った。
それを見て、慧斗は苦笑する。

「特に興味なかったから」

そう言い切ってしまう。
わたしの足だけが止まり、慧斗だけが先に進んだ。

すぐに気付いた慧斗がわたしを振り向く。