あほか! と船川が怒鳴るのを聞いて、周りの男子が笑う。慧斗は得点板に腕をかけたまま同じように笑っている。それにホッとする自分がいた。

「つまんないのー」

「ほら遅れると先生に……わ、来た」

体育館から出てきた先生を見つけてわたし達は小走りで倉庫へ向かった。

コーンを取って体育館まで歩く。
男子はサッカーを続行していた。視線を感じてそちらを見ると、慧斗が真っ直ぐわたしを見ている。

目が合ってしまった。

逸して良いものかと考えているうちに、慧斗が先に動いた。手を振っている。一緒に得点管理をしていた男子が、慧斗の動きにぎょっとしてからその視線の先を辿ってきた。