本当に慧斗は食べないらしく、どんなに勧めても食べようとしなかった。
やっぱり気になっているので、ポテトを食べながら聞いてみた。
「やっぱり血がご飯なの?」
にこにことした顔から、きょとんとした表情へ変わる。
「言いたくないなら言わなくても良いよ」
聞かれたくないことなのかと思って、そう付け加えた。
わたしは何より、このポテトを処理して早くここを出たい。
「俺はそんなに吸血鬼の血は濃くないから、血は飲まなくても生きていける」
「え、そうなの?」
「流石に主食だったら死活問題だよね」
ははは、と愉快そうに笑う。