廊下から女子と男子がこちらを窺っている。「なにあれ」と女子がこそこそと話しているのが聞こえた。 「じゃあ俺もここで食べる」 「あっちでみんなが待ってるよ」 指した方を向いて、慧斗は目を少し細めた。 「分かった」 しゅんとした顔をして教室を出て行く。 その手にはご飯を持っていない。 「……良かったの?」 「んー」 「てか、仲直りしたの?」 椅子に座ってお弁当の箱を開ける。んー、と考える。 慧斗は何も持っていなかったけれど、何を食べようとしていたのだろう。