脱線し始めた話の軌道を戻す。
「そうそう、あんた慧斗くんと同じクラスだって言ってたでしょう? 出かける前で悪いと思ったんだけど、美衣のこと見なかったかって聞いて、まだ帰って来てないって話したら、捜してくるって言ってくれてね」
「そ、それで?」
「本当に見つけてくれたのよ。美衣と一緒にいた猫を慧斗くんは探しにいこうと思ってたみたいなんだけど。
美衣には自分が見つけたこと、言わないでくれって言われてたんだけど、流石にね……」
それは確かに、流石にだ。
「仔猫、元気だった?」
「慧斗くんの腕の中で暴れるくらい元気だったわよ」
それなら良かった。



