片翼の運命


お母さんはわたしをベッドに寝かせて、シーツをかけてくれた。とんとんと身体を優しく叩き言う。

「言わないで欲しいって言われたんだけど」

「え……?」

「遅いし携帯にも出ないし、胸騒ぎがしてね。捜しに行こうか迷って家を出たら、お隣の慧斗くんがちょうど家から出ていくのが見えて」

その名前が出てきたことに驚いた。
確かに隣だけれど、うちと望月家は特に深い関わりはなかった。

「久しぶりに姿見たんだけど、すごく格好良くなって」

「なんの話?」