わたしは肩や脚の擦り傷や打撲以外の外傷はないと言われて、一旦落ち着く。検査は明日することになって、お母さんはお父さんからの電話に出るために病室を出た。
骨が折れてなくて良かった。
そうしたら生活に支障が出ると思うし……。
ふとあることに気付いて、誰もいなくなった病室で袖を捲くって自分の腕を見た。太い枝で引っ掛けて自分の血を見た気がしたんだけど、そのこと言われなかった。
そこには、まだ塞がって間もないような痕があった。しかも結構深い痕で、自分の腕なのにとても驚いた。
「これ、いつ……」
この傷痕、なんだろう。



