はっと目を覚ますと天国。

ではなかった。

「美衣!」

お母さんがわたしの手を握っている。心配した顔が視界に入って、わたしの枕元にある何かを掴んで「守尾です、今目が覚めました」と誰かに報せる。

「あんたはもう……どうして裏山に居たの!? 木から落ちたって本当なの!?」

「お、お母さん」

「昔から木に登っちゃ駄目って言ってんのに!」

「ごめんなさい……」

起きて早々、一方的に怒られている。そこへ医師と看護師さんが到着して、お母さんを宥めてくれた。

やっぱり木から……。あの仔猫大丈夫かな……?