わたしが登ってきて驚いたのか、仔猫が怯えた声をあげながら先の方へ行ってしまう。

やっと姿が見られたとき、もうへとへとだった。

かなり高い。どうしてこんな所に来てしまったのだろう。
何かに追われたのかな。

仔猫の方へ手を伸ばす。もう少し、もう少し、と思いながら慎重に足を動かしていく。

躊躇わず仔猫の胴を片手で掴んで、ほっとする。みーみーと暴れる仔猫を抱きしめようとして、ぱきっと嫌な音が聞こえた。

足元を見ると、ミシミシと枝が撓っている。

ですよね、わたしの体重だって増えているわけで。