最近の子はこんなところでは遊ばないのかな。昔より整備されている気がする。

確かに、不審者に誘拐されたらこんな所じゃ気づかれない。親だって行かないようにと注意するはずだ。

そう考えて、ぴたりと足が止まる。

不審者……いないよね?

くるりと振り向く。ざわざわと木の葉が揺れる。夕闇が何かを連れてくるように思えた。

ごくりと生唾を呑み、帰ろうと踵を返す。どこかで何かが鳴く声が聞こえた。足を止める。

「な、なに?」

顔を上げるのは、上の方から聞こえたから。まさか悪魔とか天狗とか、そういうのじゃないよね。