日直は逃れられない。

指を折って月曜にその日が来る! と思った日が金曜日だった。本日の日直である船川が黒板を消している。

「夏菜子はわたしが会ったときから何組にイケメンがいるって言ってたよ」

「あの様子だとな」

「コロニーが形成されてる、とも」

その言葉に噴き出す。ケラケラと笑って、黒板消しから出た粉に咳き込む。

何やってるんだ、と思いながらその背中を擦った。

何やってるんだろう、私も……。

真っ直ぐ家には帰らず、何となく裏山へ向かった。

よくここで遊んだな、と思い出す。特に幼稚園の頃は。
秘密基地を作ったり、かくれんぼをしたり。