ガムシロがひとつ開けられている。

「普通に話せたらって思ってたけど。別にもう良い」

「そんなに怒らなくても」

わたしは自分のアイスティーを飲み干した。夏菜子は口からスプーンを出して、からんと容器の中に入れる。

「大体においてわたしが何したって言うの? 何かあんなら直接言ってくれば良いのに、ああやって回りくどい感じに置いてったりして」

「わざとじゃないんだからさー」

「わざとじゃないなら、尚更関わりたくない」

「どうして?」

「神様がそう言ってる気がするの」

夏菜子が船川と顔を見合わせた。わたしだって「お手上げだ」と思っているのだ。