吸い込まれそうだ、と思ってふらりとよろめく。後ろから大きな声で名前を呼ばれた。

「美衣! おはよう!」

「おはよ」

「クラス一緒だと良いね!」

そう言って笑顔を見せる夏菜子とは一年のときに同じクラスになってから仲が良くしている。

うん、と頷き返す。一緒に高校の門を通った。

「うわ、すごい人……」

夏菜子の言った通り、登校時間ピークだったらしく、昇降口の前には人だかりが出来ていた。

クラス発表は掲示板に貼られている。夏菜子はぴょんぴょんと飛んで人の間からそれを見ていた。

「あった、A組」

「わたしもA組」

「本当に!? やったあ!」