そんなことをして、夏菜子がクラスの女子から白い目を向けられることは、わたしも良く思わない。

私がどうにかして我慢するしかない。

「よ、おはよ」

昨日の放課後に見た面子と一緒にいた船川が挨拶する。夏菜子がぱんっと手を叩いた。

「船川、前の席の子って女子だよね?」

「そうだけど」

「美衣とペア変わってあげてよ」

「どうして?」

純粋な質問だった。夏菜子がわたしの方を見る。

どう答えようか、と迷う。

「美衣はね、男子が苦手なの!」

それを助けてくれたのは夏菜子だった。
夏菜子にもわたしはその理由を話していないのに。