掃除当番で残っていた船川に近づく。夏菜子は他のクラスメートと話していた。 「あれはないと思う」 「え、なにが」 「溝なんとか君に夏菜子のこと言ったの、船川なんでしょ?」 そうだけど、と箒を動かしながら答える。 「夏菜子が悲しんでも良いの?」 「いや、そんなことは思ってないけど」 ばさばさ、と後ろの方から音が聞こえる。わたしにだけだ。 ちら、と振り向くと痛い視線。 「夏菜子には幸せになってほしいけど、嘘吐いて幸せになってほしいわけじゃないし」 「それはわたしもそうですよ」