表紙に書かれているのは、吸血鬼の歴史。

何が分かるわけでもないけれど、勉強をしている人たちから離れた席に座って、興味本位にそれを開く。

ヴァンパイア。ヨーロッパにルーツがある。

色んな国に、すこしずつ違った吸血鬼がいるらしい。
死んだひとが蘇った姿とか、心臓が二個あるとか。

人間の生き血を吸って、村を全滅させるとか。

怖くなって、そのページは飛ばした。最後の方で出てきたのは、吸血鬼ハンターの話。神話のような作り話のようなそれを読んで、本を閉じる。

結局、慧斗のことはなにも分からなかった。