しくしくと痛むお腹に手を当てながら昼ごはんを食べる。夏菜子が持っていた鎮痛剤を貰って飲んだ。
午後の授業はぼんやりと過ぎた。
放課後はいつも通り夏菜子と船川を見送って、靴箱へ向かった。でも、慧斗と出会したら嫌だと思って、そのまま図書室へ歩く。
中学のときは、結構図書室へ通っていたけれど、高校になって全然借りなくなった。理由のひとつに、教室から離れていることがある。
勉強している人も何人かいて、その横を通り抜ける。
ぎっしりと本の詰まった棚を見上げ、長居する気はなかったのに、一冊を手に取ってしまった。



