「ふ……ふむ」

「ふむ?」

「分かったってこと、」

顔が近い。わたしの視線は絡んだ指から動かせない。
それを分かっているように、その指が持ち上げられる。

ちゅ、と指に口付けが落とされた。

「け、慧斗」

「美依ちゃん、分かったの?」

え、とその瞳を見る。吸い込まれそうな色。
綺麗だ。

次は唇が重なる。角度を変えて啄まれた。

恥ずかしい、と思う。

慧斗の綺麗な瞳に、私が映っている。

少し口を開いた隙に、舌が入ってくる。ざらりと下の歯をなぞられて、口の中全部を絡め取られる気がした。