あの日の絆創膏を思い出す。

「喧嘩することもあるの? この前怪我してた」

「いや、あの時はまだ慣れてなかっただけ」

「飼ってから短いの?」

「美衣ちゃんを捜しに行った日が初対面」

テーブルの上にカップとクッキーが置かれて、慧斗はわたしの隣に座った。

「初対面?」

「コナを探すっていうのは、美衣ちゃんを捜しに行く口実だったから」

その事実に驚いていると、コナは大きく伸びをしてソファーから降りてしまう。

座ろう、とコナが寛いでいたソファーに慧斗が座る。私もその隣に座ると、なんだかしんとしてしまった。