「あ・・・あの、あの。私、木色くんの歌声好きだから、だからまた、聞きに来ていいかな?」

木色くんは凄くびっくりした顔をした後にいつもなら絶対見れない笑顔で

「僕、騒がしいの苦手だから、ここでいつも歌ってるんだ。だから、一人出来てね」

「え、来てもいいの?」

そう聞いた時には、木色くんはドアの先の階段を降りていた。
私に問いには答えてくれなかった。

そのとき、私は自分の胸が少し苦しいような
嬉しいような不思議なドキドキしているのに
気づいた、これが私の恋の始まり。