「さっきの話は経験論?それとも、理想論? めずらしく感情が表に出てるように見えたの。」












「まぁ、あれは似たような奴を見たこともあるし、慶也に関しては俺と少し被ってたからかな。あいつは無自覚な分、タチが悪い。」












「今日は随分と教えてくれるのね。心境の変化でもあったの?」













「それに関しては無自覚らしい。 俺はもう寝るから、起こすなよ。」















「何それ。訳わかんない。」














和歌の心は言葉とは裏腹に、嬉しさを帯びていた。






真実を知ったら氷った心が再び溶け始めることになるのか、さらに固く固まるのかはまだ分からない。