「慶也、落ち着いたか?」
心配そうに聞いてくる航。自分だってあんだけ言われてどうしたらいいか分かんないくせに、人の心配してる場合かよ・・・
「あぁ。とりあえずは、な。でも俺、このままにしたくはねぇんだよ。今回は絶対に出たいんだ。」
「それは俺も同じだよ。ただ、俺はどうしたらいいかなんて検討もつかないんだよ。俺、無意識に相手に手加減してんだってよ。俺自身、人を殴るのに抵抗とかあったのかな?」
なんだそれ? それって航の性格全面に溢れてるみたいだな。でも、それが敵となると、怪我すんのは航のほうだから、それは大きな欠点だよな。
「お前ら、抗争前になんかあったか?」
「・・・!? 竜介さん!!」
声に出したのは航。全く存在に気づかなかった。
「気配消してくんなよな。いきなり過ぎでビビる。」
「いや、全く消したつもりはねぇんだけどな。 気づかなかったのは、お前らが深刻な顔して考えてるからだろ?」

