umbra 〜約束の日〜













「たまたま令嬢と会うっていうのはまた随分な強運だな、大雅。」










「ん? あぁ。 湊谷がそれなりの立場じゃなきゃなかなかねぇな。」











「はぁ、本当にたまたま助けたのがそうだっただけです。 俺、もう教室に戻りますね。」












そう言って俺は理事長室を出た。後ろから何かを言われるかと思ったが、何も無かった。あのことを聞かれたからなのか分からないが、どこかモヤモヤする。今日はもう、何も無いでほしい。そう思いながら俺の足は屋上へと進んだ。