「そ、そりゃあするよー!だって、卒業式本番だよ?」

と、あえて鈍感なふりをしておく。



「そうじゃなくてー…。ま、いーけど。応援してるからね!ファイト、桜花!」



しぃーっと、人差し指を口元にあてる。

まだ内緒。

告白したら、噂が広まるかなと考えて、はっとした。



私はもう、この学校に来ないんだった。



だって、今日が最後の日なのだから…。