「えっと……」

どうすればいいんだろう。

「前から気になってたことも言っちゃうと、敬語も止めていいんだよ?
それと名前で呼んでよ」

橘さんは子供をあやすような笑顔で言う。


敬語と、名前……


「うん。そっちのが俺らも嬉しいかな」

来栖さん…

「うん」

工藤さん…

「………」

桐月さん…は、無言でうなづいた。


「わ、わかりました。」


「……すでに敬語」

私の答えに笑いながら橘さんが言う。


「あ…わかりま………わかった」


私が言い直すとみんな笑った。


「次、名前」


そして橘さんがにこりと笑う。

テストか。

まぁいい。


「……佑さんに、凪さんに、陸さんに昴さん」


1人ずつ私は視線を移しながら言った。


「"さん"いらない。
はいもう1回」

不服なのか、佑さんが言う。

"さん"って……私の中だと普通なんだけどな。
夏目とかは気づいたらああ呼んでただけで…


「……佑、凪、陸に昴」


私は渋々と言った感じで言うと、みんな満足そうな顔をした。